廃棄物コラム
PCB入り変圧器を搬出するとき|キュービクルから運び出すまでの記録 2026.09.23
ビルの屋上にあるキュービクル(高圧受電設備)を撤去することになり、中の古い変圧器(トランス)にPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれていると分かることがあります。
設備の更新や解体を控えた施設管理のご担当者から、こうしたご相談をいただきます。
そのとき多くの方が最初に立ち止まるのが、「あの重い設備を、どうやって建物の外まで運び出すのか」という点です。
「運び出す途中で、PCBが漏れ出す心配はないのか」という不安も続きます。
この記事では、1階へ降ろしたキュービクルから変圧器を取り出し、トラックへ積み込むまでを写真でご紹介します。
屋上から1階へ降ろす工程の写真は手元にないため、1階に降ろしたあとの3つの場面が中心です。
クレーンで吊る作業や、建物の外へ運び出す作業は、協力会社が行います。
現場では、PCBが漏れないよう、専用の箱に収めてから運び出しています。
株式会社エコ・コンシェルジュは、こうした案件を窓口として承り、進め方を整理する立場です。
目次
- 1. 屋上のキュービクルを運び出すまでの順番
- 2. キュービクルから変圧器を吊り出し、クレーンで移動します。
- 3. PCBが漏れないよう、専用の箱に収めます。
- 4. 当社が行うこと、協力会社が行うこと
- 5. 相談する前に準備しておきたいこと
- 6. まとめ
1. 屋上のキュービクルを運び出すまでの順番
ビルの屋上に設置されていた古いキュービクル(キュービクル式高圧受電設備)を撤去することになりました。
中に入っていた変圧器(トランス)には、PCBが含まれていることが分かっていました。
キュービクルとは、金属製の箱に高圧受電設備一式をまとめて収めた設備のことです。
「キュービクル」という語そのものは、箱や小室という意味です。金属の箱にまとめて収めるため、この呼び方が使われています。
結論からお伝えします。
屋上のキュービクルは、まず1階まで降ろします。次に、キュービクルの中から変圧器を取り出します。
そのうえで、PCBが漏れないよう専用の箱に収め、トラックへ積み込みます。
ここでご紹介するのは、2021年3月に撮影した、一つの現場の記録です。
建物の形や周囲の状況によって、段取りは変わります。
ここからは、1階に降ろしたあとの3つの場面を順に見ていきます。
こうした案件は、株式会社エコ・コンシェルジュが窓口として承っています。
クレーンで吊る作業と運び出しは協力会社が行い、当社は搬出経路と順番を先に確かめて、当日の段取りを整えます。
2. キュービクルから変圧器を吊り出し、クレーンで移動します。
1階まで降ろされたキュービクルは、扉を開けると内部の様子が分かります。
白い外箱の中に、円筒形の変圧器が収められていました。
次の写真は、その変圧器をクレーンで引き出している場面です。
クレーンのフックから伸びたスリングで変圧器を吊り上げ、キュービクルの中から少しずつ引き出していきます。
地面には、白い養生シートが敷かれています。
写真に写る赤いフックブロック(吊り具)の「2.9t」という表示は、その吊り具の定格荷重で、変圧器そのものの重さとは別の数字です。

キュービクルから取り出した変圧器は、地面に直接置かず、専用の箱に収めます。
吊ったままの状態で、トラックのそばまで移動させます。
3. PCBが漏れないよう、専用の箱に収めます。
トラックの荷台には、あらかじめ青い箱が用意されていました。
これは、PCBの漏洩を防ぐための収納箱です。
移動中に万が一PCBが漏れ出しても、外に広がらないようにするためのものです。

箱に収めたあとは、荷台に固定して運び出します。
なお、この変圧器にPCBが含まれると分かるまでの見分け方や、サンプル採取から専門事業者への引き継ぎまでは、別の記事で扱っています。
PCBのサンプル採取|見分け方から専門事業者への引き継ぎまで
本記事は、その引き継ぎのあと、実際に建物から運び出すまでの記録です。
4. 当社が行うこと、協力会社が行うこと
ここまで写真でご紹介した作業は、いずれも協力会社が行っています。
キュービクルから変圧器を取り出すこと、クレーンで移動すること、収納箱に収めることのすべてです。
株式会社エコ・コンシェルジュの役割は、こうした案件を窓口として承り、全体の進め方を整理することです。
一般に、重量物とPCBが関わる搬出のご相談をいただいた場合は、まず現地を確認するところから始まります。
下見(現地確認)は、当社が伺って行っています。
建物の構造や搬出経路、作業スペースを確認したうえで、その先の作業は協力会社と分担しながら進めます。
一方で、取り出した変圧器のPCB濃度や、その後の処理の進め方は、分析の結果によって決まります。
正式な判定・分析・処分は、必要な資格や許可を持つ専門事業者が行う作業です。
PCBは、濃度の区分によって扱いも必要な手続きも異なります。
処分の期限や必要な手続きは、環境省が公開している情報や、都道府県・政令市の担当窓口でご確認ください。
なお、この記事は2021年3月の現場の記録です。
制度や手続きは時期によって変わります。現在の取り扱いは、最新の情報をあわせてご確認ください。
5. 相談する前に準備しておきたいこと
同じような設備の更新や撤去を控えている場合、対象物の状況が分かる情報をご用意いただくと、相談がスムーズに進みます。
具体的には、次のような情報です。
- ・設備の全体が分かる写真(安全に撮影できる範囲で構いません)
- ・銘板や型式が読み取れる場合は、その近接写真(無理に近づく必要はありません)
- ・設置されている場所(屋上か1階か、周囲にスペースがあるか)
- ・搬出経路として使えそうな通路や出入口の幅
- ・更新や解体の予定時期
古い設備で銘板が読み取れない場合や、PCBを含むかどうかがまだ分からない場合でも、ご相談いただけます。
進め方や費用については、設備の設置状況や台数をうかがったうえで、より良いプランをご案内します。
まずはお問い合わせフォームから、分かる範囲の写真と状況をお送りください。
写真のほか、動画やPDFファイルも送っていただけます。
屋上など危険な場所に上がったり、設備の扉を開けたりして撮影していただく必要はありません。
分かる範囲の情報だけで構いません。
6. まとめ
- ・屋上のキュービクルは、まず1階まで降ろし、中の変圧器を取り出し、専用の箱に収めてトラックへ積み込むという順番で進みます。
- ・変圧器にPCBが含まれている場合は、移動中に漏れ出さないよう、専用の収納箱に収めてから運び出します。
- ・キュービクルから変圧器を取り出す作業、クレーンでの移動、収納箱への収容は、協力会社が行います。
- ・変圧器のPCB濃度やその後の処理は、正式な判定・分析を行う専門事業者の領域です。
- ・下見(現地確認)は当社が伺って行い、その先の作業は協力会社と分担しながら進めます。
屋上や高所に設置された設備の撤去は、搬出経路と作業スペースの確認から始まります。
株式会社エコ・コンシェルジュは、こうした案件の窓口として、進め方の整理をお手伝いしています。
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