廃棄物コラム

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屋上の太陽熱温水器、処分する前に|金属部分は資源になる可能性があります 2026.09.05

ビルや集合住宅、工場の屋上に、今はもう使われていない設備がそのまま残っていることがあります。そのひとつが太陽熱温水器です。設置から長い年月がたち、使われないまま置かれている。

建物の解体や屋上防水の改修が決まってはじめて、どう処分するかを考えることになった。建物のオーナーや管理担当の方には、そうした場面があるのではないでしょうか。

この記事は、屋上に残った太陽熱温水器の撤去・処分をこれから決める方に向けて、処分を決める前に確認しておきたいポイントを、廃棄物管理の視点から整理したものです。

目次

  1. 1. 太陽熱温水器と太陽光パネルは別の設備です
  2. 2. 結論:骨組みの鉄をはじめ、金属部分は資源になる可能性があります
  3. 3. 資源として評価できる可能性がある部位
  4. 4. 内部の断熱材は、金属とは扱いが異なります
  5. 5. 評価に影響する条件
  6. 6. 屋上からの撤去で気をつけたいこと
  7. 7. 相談前にご準備いただきたい情報
  8. 8. まとめ

1. 太陽熱温水器と太陽光パネルは別の設備です

「屋上の設備を処分したい」と調べると、太陽光発電パネルの情報ばかりが出てきて、欲しい情報にたどり着けないことがあります。

太陽熱温水器と太陽光発電パネルは、屋根の上に据え付けられている見た目こそ似ていますが、別の設備です。

太陽光発電パネルは、太陽の光から電気を作る設備です。一方、太陽熱温水器は、太陽の熱でお湯を作る設備で、集熱パネルと貯湯タンクで構成されています。

見分けるときは、パネルの表面を見てください。太陽光発電パネルには発電素子(セル)の格子模様が並んでいることが多いのに対し、太陽熱温水器のパネルにはそれがありません。

お湯をためる貯湯タンクがある点も違いです。ただし機種によっては、貯湯タンクが集熱パネルと一体で屋上に載っている場合と、屋内や地上に別置きされている場合があります。

屋上に見えているものだけで判断がつかないときは、写真を撮って確認してみてください。

まず「発電する設備」ではなく「お湯を作る設備」だと分かれば、この先の処分方法も考えやすくなります。

2. 結論:骨組みの鉄をはじめ、金属部分は資源になる可能性があります

結論から言うと、太陽熱温水器を支えている架台(骨組み)には鉄が使われており、資源として評価できます。

あわせて、外装の鉄板やステンレス、配管などの金属部分も、資源として評価できる可能性があります。

ただし、「まるごと1台でいくら」という単純な話ではありません。太陽熱温水器は、金属部分と、ガラスや断熱材といった金属以外の部分が組み合わさってできています。

どの部位にどれだけの価値があるかは、材質や状態によって変わります。次の章から、部位ごとに見ていきます。

3. 資源として評価できる可能性がある部位

太陽熱温水器のうち、資源として評価できる可能性がある部位は、主に次の通りです。

・架台(骨組み):鉄が使われており、資源としての評価が見込みやすい部位です
・外装:鉄板やステンレスが使われている場合があります。

機種によって樹脂が使われていることもあり、実際の材質は確認が必要です
・配管:金属製の配管が使われています。材質は機種によって異なります

太陽熱温水器の集熱パネルを持ち上げた状態の裏側と、鉄製の架台
持ち上げた状態で見ると、太陽熱温水器を支える架台が、アングル材(山形の鋼材)を組み合わせて作られていることが分かります。
太陽熱温水器の架台の下を通る配管と、屋上に残る電気配線
架台の下には配管が通り、屋上には電気配線も残っています。太陽熱温水器は、パネルとタンクだけでなく、こうした配管や配線もあわせて撤去することになります。

4. 内部の断熱材は、金属とは扱いが異なります

太陽熱温水器の内部には、お湯の温度を保つため、断熱材が使われている場合があります。ウレタンフォーム、発泡系断熱材、グラスウール系材料などが挙げられます。

これらは金属ではないため、資源としての扱いは金属部分とは異なります。

「グラスウール」と聞いて、アスベスト(石綿)を連想し、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。グラスウールとアスベストは別の物質です。

グラスウールはガラスを繊維状に加工した人工の材料で、天然の鉱物繊維であるアスベストとは性質が異なります。混同しないようにしておくとよいでしょう。

つまり太陽熱温水器は「金属の塊」ではなく、複数の材質が組み合わさった設備です。まるごと一つの廃棄物として扱うのではなく、部位ごとに分けて見ていく必要があります。

5. 評価に影響する条件

同じ太陽熱温水器でも、評価できる内容は一台ごとに異なります。影響する条件としては、次のようなものがあります。

・材質:外装がステンレスか鉄板か、配管が何でできているかによって評価は変わります
・状態:さびや破損の程度によって、金属としての評価が変わることがあります
・数量:まとまった数量があるかどうかも、評価に影響します

これらを確認しないまま「太陽熱温水器はいくらになる」と断定することはできません。実際の評価は、材質や状態を確認したうえでご案内します。

なお、資源として評価できる部分があるからといって、必ず差し引きでお金を受け取れるとは限りません。

量が少ない場合、屋上からの搬出に手間がかかる場合、他のごみが混ざっている場合などは、費用をご負担いただくことがあります。

処分費、運搬費、作業の負担、資源として売却できる分をあわせて見比べたうえで、どの方法が有利かを整理してご案内します。

6. 屋上からの撤去で気をつけたいこと

太陽熱温水器の多くは、建物の屋上や屋根の上に設置されています。そのため、撤去には足場の設置や高所での作業が必要になることが多く、安全の確保が欠かせません。

重量のある機器を高い場所から下ろす作業になるため、高所作業の経験がある事業者に依頼することをおすすめします。

また、長年使われないまま残っている機器には、内部に水や不凍液が残っている場合があります。

確認しないまま切断や解体を始めると、中の液体がこぼれることがあるため、事前に中身の有無を確認しておくと安心です。

なお、撤去・搬出・運搬・処分といった現場作業は、協力会社が担当します。

エコ・コンシェルジュは、現場の状況をうかがったうえで、何が資源として評価できるかを整理し、協力会社と連携しながら資源化までの流れをご案内する役割です。

屋上には、太陽熱温水器だけでなく冷却塔などの空調設備がまとめて残っている現場もあります。

冷却塔や空調配管の資源化については「空調設備を捨てる前に|配管・電気設備の資源化のポイントとは」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

7. 相談前にご準備いただきたい情報

太陽熱温水器の資源化についてご相談いただく際は、次のような写真や情報をご用意いただけると、確認がスムーズになります。

・設備全体が分かる写真(屋上や屋根に設置されている状態のもの)
・集熱パネルや貯湯タンクの近接写真
・架台(骨組み)部分の写真
・設置されているおおよその数量
・設置場所の状況(屋上に据え付けられたままか、すでに地上に降ろされているか)

これらがすべてそろっていなくても、まずは分かる範囲の写真だけでご相談いただけます。足りない情報は、やり取りしながら整理していきます。

写真は、安全に撮影できる範囲で構いません。無理に屋上や屋根の上へ上がらず、離れた場所から撮影したものや、設置時の資料が残っていればそれでも差し支えありません。

写真は、お問い合わせフォームから添付してお送りいただけます。

8. まとめ

・太陽熱温水器は太陽の熱でお湯を作る設備であり、発電する太陽光パネルとは別の設備です
・架台(骨組み)には鉄が使われており、資源として評価できます
・外装や配管も、材質によっては資源として評価できる可能性があります
・内部の断熱材(ウレタンフォーム、グラスウール系材料など)は、金属とは扱いが異なります
・屋上からの撤去は高所作業になるため、安全の確保が欠かせません
・量が少ない場合や、屋上からの搬出に手間がかかる場合などは、費用をご負担いただくことがあります
・撤去・搬出などの現場作業は協力会社が担当し、当社は資源として評価できるかの確認とご案内を担います

屋上に古い太陽熱温水器が残っていて、撤去費用ばかりが気になっているとしたら、まとめて処分してしまう前に、一度現状を写真に撮ってご相談ください。

架台や配管などの金属部分は、資源として評価できる可能性があります。写真は、安全に撮影できる範囲で構いません。

設備全体が分かる写真や架台部分の写真をお問い合わせフォームに添付していただければ、確認しやすくなります。

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