廃棄物コラム
アスベストが心配で解体が止まっているなら|まず何があるかを見に行きます 2026.09.30
「解体の前にアスベストの調査が要る」と言われて、そこから進んでいない。そんなご相談をいただきます。
解体や改修の前には、アスベストが使われているかどうかを調べる「事前調査」が要ります。調査はまず、設計図書や過去の改修の記録を集め、建物をよく知る人に話を聞くところから始まります。
ところが、図面が見つからない。建てた年が分からない。当時の担当者はもういない。書類がそろわないと、調査の最初の一歩で止まってしまいます。止まっているのは、お客様と、解体を頼まれた会社の両方です。調査が済むまで、どちらも工事に手をつけられないからです。
困るのは、建てた年が分からないことです。2006年9月1日以降に工事を始めた建物は、原則としてアスベストを含まないと判断できます。その年が書類で確かめられなければ、建材を一つずつ目で見て、必要なら試料を採って分析するか、アスベストが含まれているものとして扱うことになります。含まれているものとして扱えば、解体はアスベストの除去の工事として進めることになります。
まずは、手元にある書類を探すことからです。どこを探せばよいか、誰に聞けばよいか。株式会社エコ・コンシェルジュは、そこからのご相談をお受けしています。調査は資格を持つ調査者が行い、当社はその段取りを整えます。
そしてもう一つ。その建物には、資源として評価できるものが入っているかもしれません。建物の骨組みの鉄骨、水道の配管、電気の線、エアコンの室外機、給湯器、アルミの窓枠。「処分費がかかるもの」だと思っていたものが、逆になることがあります。捨てる前に、何があるかを見に行く。それが私たちの仕事です。
目次
- 1. 止まっているのは、お客様と工事会社の両方です。
- 2. 見た目では分からないから、順番に確かめる。
- 3. まず、手元の書類を探す。
- 4. 採取した場所を、袋に書き分ける。
- 5. 誰が何を担当するか?
- 6. まとめ
1. 止まっているのは、お客様と工事会社の両方です。
私たちは、アスベストの確認の段取りをお引き受けします。確認が進めば、お客様は解体に進めます。解体の会社も、仕事に取りかかれます。
そして私たちは、解体で出る金属を資源として引き取ります。それが本業だからです。
つまり、確認が進むことで、三者ともが前に進みます。
「アスベストの調査」だけのご相談でも建物全体を見るのは、そのためです。解体すれば、いろいろなものが出てきます。
建物の骨組みの鉄骨、水道の配管、電気の線、電気の配電盤、エアコン、給湯器、床に敷いてある板等。このうち何が資源として評価できるかは、見てみないと分かりません。
たとえば、サーバー室の床下に敷いてあるパネル。
見た目はただの古い床材ですが、アルミニウムが使われていることがあります。
まとめて廃棄物として出せば費用がかかります。分ければ、資源として評価できる可能性があります。
株式会社エコ・コンシェルジュは、金属資源の買取と再資源化を本業にしています。
だから、解体のご相談でも、まず金属を見ます。
大きすぎるから、重いから、という理由で諦めることもしません。
過去には、個人の方が所有していた旧国鉄の貨車を買い取り、鉄資源としてリサイクルしたこともあります。
普通のトラックでは運べないため、搬出経路を確認し、クレーンと大型トレーラーを手配しました。
アスベストの確認のための下見で、資源として評価できるものも一緒に見ます。
エコ・コンシェルジュでは、最初から混ざらないようにすること、捨てるところから分別することを大事にしています。
お客様と話し合い、お値打ちになる方法を一緒に考えていきます。
2. 見た目では分からないから、順番に確かめる。
一方で、見ただけでは分からないものもあります。
アスベストがその代表です。色や質感が似ていても、含まれているものと、そうでないものがあります。
解体や改修の前には、アスベストが使われているかどうかを調べる「事前調査」が必要です。2023年10月からは、建物の事前調査は、「建築物石綿含有建材調査者」などの資格を持つ人が行うことになっています。
床面積80平方メートル以上の建物の解体や、請負代金100万円以上の改修などは、調査の結果を都道府県などに報告します。報告するのは、工事の元請業者(自分で工事をする場合は、その人)です。
私たちは、分からないものを、分かったふりで扱いません。
これは金属でも同じです。
材質不明の工具や機械部品を「ただの鉄くずだろう」と決めつけると、タングステンやニッケル合金だったものを、安く手放してしまうことになります。
その場で分からないことは「まだ分かりません」とお伝えし、分析に出すなど、確かめる方法と日数をご提案します。
アスベストなら分析、金属なら成分の確認です。
古い受電設備も同じです。
鉄と銅が入っているので資源としての価値はありますが、古い油入り変圧器にはPCBが含まれている可能性があります。環境省も、製造から30年以上たった古い電気機器には、PCBで汚れているものがあると注意を呼びかけています。
すぐに「買い取れます」とは申し上げません。銘板と製造年を確認し、必要なら分析をご提案します。
高く買うことより、安全と法令順守(コンプライアンス)が先です。
法令順守とは、法律や国の決まりを守って仕事をすることです。ごみの処分では、特に大事な考え方があります。
ごみを出した会社には、処理を業者に頼んだあとも、処理の責任が残ります。環境省は、最後の処分が終わるまで、正しく処理されるように気を配ることを求めています。
もし頼んだ先が決まりを守らない処理をすれば、ごみを出した会社も、行政から元に戻すための命令(措置命令)を受けることがあります。社名が公表され、決まりを守らない会社として評判を落とすこともあります。
PCBが入った古い変圧器などは、処分の期限も決まっています。低濃度のPCBが入ったものは、2027年3月31日までに処分することになっています。
値段だけで引き取り先を選ぶと、その責任がお客様に返ってきます。だから私たちは、高く買うことより、安全と法令順守を先にします。
3. まず、手元の書類を探す。
アスベストの確認は、建物の書類を集めるところから始まります。
- ・竣工年が分かるもの(登記、確認申請の控え、竣工図の表題欄)
- ・図面(意匠図、設備図、配管図)
- ・改修や増築の履歴(工事の記録、見積書、図面の差し替え)
- ・過去に調査をした記録があれば、その報告書
古い建物ほど、書類は散らばっています。全部が揃わなくても構いません。
どこを探せばよいか、誰に聞けばよいか。そこからご相談いただけます。
施工した会社が廃業していて記録が追えない、というご相談もあります。
書類が揃うと、現場に入る前に、どこを見るべきかの見当がつきます。
当たりがついていれば、現地で見る範囲を絞り込めます。
2006年9月以降の着工と書類で分かれば、原則としてアスベストを含まないと判断できます。それより前の建物は、書類は出発点で、現地で目で見て、必要なら分析で確かめます。
4. 採取した場所を、袋に書き分ける。
分析にかけるには、材料の一部を採る必要があります。
試料の採取は、資格を持つ調査者が行います。当社は、調査者と日程を整えます。
このとき大事なのが、どこから採ったかを残すことです。
下の写真は、2014年に、ある建物で採った試料です。袋に「給水管」「排気管」と、採った場所が書き分けてあります。
同じ建物でも、配管ごとに使われている材料が違うことがあるからです。


2枚を見比べていただくと、色も形も違います。
まとめて1つの袋に入れてしまえば、どちらの結果か分からなくなります。
記録を残すのは、後から確かめられるようにするためです。
5. 誰が何を担当するか?
採取したものは、分析を行う専門の機関へ引き継ぎます。
含まれているかどうかの判定は、分析の結果で決まります。
判定が出たあと、除去が必要なら工事に進みます。
工事、運搬、処分は協力会社が担当します。手配と日程の調整は、こちらで進めます。
解体では、複数の会社が関わります。クレーン、撤去、運搬、買取、処分。
お客様が一社ずつ探して、同じ説明を繰り返し、日程を合わせるのは大変です。
窓口はひとつで結構です。
費用の見通しは、こちらから先にお出しします。
必要な工程を並べて、それぞれにいくらかかるのかをお示しします。
減らせるところがあればお伝えし、社内で検討していただける材料をお渡しします。
そして、工事のあとに記録が残ります。何を、いつ、どれだけ処理したのか。
処理が済んだことを示す書類もお渡ししています。書類の種類は案件によって異なります。
私たちは、お客様が委託した処理施設を見に行く仕事もしています。
現地で掲示板を撮り、掲示の内容や保管の状況を確かめ、報告書にまとめてお渡しします。
この視察と報告は、2014年から続けています。
見に行って、確かめて、記録に残す。ここまでご説明してきた確認の進め方も、考え方は同じです。
お伺いする範囲は、東海3県が中心です。それ以外の地域もご相談ください。
分からないことは、分かる人に聞きます。できないことは、できる専門家と組みます。
大事なのは自社で全部やることではなく、お客様にとって安全で、適法で、費用の面でも納得できる結果になることです。
6. まとめ
- ・確認が止まると、お客様も、解体を頼まれた会社も動けません。まずそこを進めます。
- ・アスベストのご相談でも、建物全体を見ます。鉄骨など資源として活かせるものが見つかれば、リサイクルに回し、処分費の負担を軽くできます。
- ・確認できないことは、そのとおりに申し上げて、調べる方法をご提案します。高く買うことより、安全と法令順守(コンプライアンス)が先です。
- ・確認は、竣工年や図面など手元の書類を探すところから始まります。探し方からご相談いただけます。
- ・試料は資格を持つ調査者が採り、どこから採ったかを袋に書き分けます。見に行って、確かめて、記録に残すのが私たちの仕事です。
- ・分析と判定は専門の機関、工事や運搬は協力会社が担当します。窓口はひとつで結構です。
対象箇所の写真と、分かる範囲の建物情報をお送りください。
竣工年、用途、図面の有無。分かるものだけで構いません。
お問い合わせフォームから、写真を添付してお送りいただけます。PDFや動画も送れます。
撮影は、安全に手の届く範囲で構いません。高いところや天井裏の確認は、こちらで段取りします。
お電話が通じない時間帯でも、フォームからお送りいただけます。
捨てる前に、何があるかを見に行きます。まだ何も決まっていない段階から、ご相談ください。
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