廃棄物コラム
機密書類を委託したあと|当社の書類が通っている処理の3工程 2026.09.01
決算後の書類整理、事務所の移転、保存期間を過ぎた文書の廃棄。
契約書や顧客名簿、帳票、社内資料といった紙の書類がまとまった量で出てきたとき、社内のシュレッダーだけで処理するには時間も人手もかかります。
かといって、そのまま古紙回収に出してよいものかも判断がつきにくいところです。
外部に委託する場合、多くの担当者が気にされるのは「引き渡したあと、この書類は本当に読めない状態まで処理されるのか」という点だと思います。
この記事では、当社から出た機密書類が実際に通っている処理の流れを、提携先の処理施設に運び込まれたときの写真とあわせてご説明します。
目次
- 1. 委託したあとが見えない、という不安
- 2. 結論:当社の機密書類は「破砕・圧縮・溶解」の工程で処理されています
- 3. 同じ紙でも、古紙リサイクルと機密書類では扱いが変わります
- 4. 3つの工程で、書類に何が起きているのか
- 5. 対象になる紙の書類と、渡すときの状態
- 6. 引き取りは専門の収集運搬業者が行います
- 7. 委託する前に確認しておきたいこと
- 8. 相談前に準備していただきたい情報
- 9. まとめ
1. 委託したあとが見えない、という不安
紙の書類には、取引先名、契約金額、個人名、住所、図面や仕様といった情報がそのまま残っています。
紙は、電子データのようにソフトウェアで処理する手段がないぶん、処分の方法がそのまま情報管理の問題になります。
社内で処理しようとすると、量の壁にぶつかります。段ボール何箱分もの書類をシュレッダーにかけるには時間も人手もかかり、その間は書類を置いておく場所も必要です。
そこで外部へ委託することになりますが、今度は別の心配が出てきます。トラックに積み込まれたあと、その書類がどこへ運ばれ、どんな設備で、どこまで処理されるのかが担当者からは見えません。
上司や情報セキュリティの責任者に説明を求められたときに、答えられる材料がないという状態になりがちです。
2. 結論:当社の機密書類は「破砕・圧縮・溶解」の工程で処理されています
先に結論をお伝えします。当社から出る機密書類は、提携先の処理施設で、破砕、圧縮、溶解という工程を経て処理されています。
この工程を通った書類は、文書としての形が残らない状態になります。
ただし、処理を行う施設によって設備や手順は異なります。また、同じ紙の書類でも、通常の古紙として扱う場合と機密書類として扱う場合とでは処理の流れが変わります。
ご相談いただく案件でどの流れになるかは、書類の内容や量を確認したうえでご案内します。
なお、株式会社エコ・コンシェルジュは、対象物の内容や情報管理上の重要度を確認したうえで、処理方法や専門事業者の選定を支援し、処理完了までの流れを整理する立場です。
書類の引き取り(収集運搬)は専門の業者が行い、当社が運搬を行うわけではありません。
実際の回収・処理を行う主体や契約関係、証明書の発行主体、そして実際に適用される処理方法は案件ごとに異なるため、そこは個別に確認したうえでご案内します。
3. 同じ紙でも、古紙リサイクルと機密書類では扱いが変わります
見落とされやすい点なので、先に整理しておきます。同じ紙でも、通常の古紙リサイクルとして出す場合と、機密書類として出す場合とでは、処理の方法が変わります。
「紙だから古紙回収と同じ流れになる」というわけではありません。
破砕・圧縮・溶解という3つの工程は、機密書類として扱う場合の流れです。すべての紙が一律にこの工程を通るわけではなく、どちらの扱いになるかで、その後の処理の流れも変わります。
そのため、まず整理していただきたいのは「その書類を機密書類として扱う必要があるか」という点です。
契約書や顧客名簿のように、外部に出ては困る情報が含まれている書類は、古紙とひとまとめにせず、機密書類として相談していただくほうが確実です。
4. 3つの工程で、書類に何が起きているのか
機密書類として扱う場合の各工程を、順に見ていきます。
・破砕
書類を細かく砕く工程です。業務用の機械でまとめて処理するため、事務所のシュレッダーで少しずつ処理する場合とは、一度に扱える量が異なります。この段階で、書類は一枚の文書としての形を失います。
・圧縮
砕いた紙をまとめて押し固める工程です。かさが減ることで運搬や保管の効率が上がり、次の工程へまとめて送れる状態になります。
・溶解
紙を水などと混ぜてほぐす工程です。ここまで進むと、紙は繊維の状態に戻り、文書としての形は残りません。
破砕で形をなくし、圧縮でまとめ、溶解で紙そのものをほぐす。この3段階を通ることで、書類は元の姿には戻らない状態になります。
委託後の処理内容を社内で共有する際は、大まかな流れとして参考にしてください。監査や社内規程の対応で正式な説明が必要な場合は、実際に処理を行う施設の工程を個別に確認します。
5. 対象になる紙の書類と、渡すときの状態
当社が適正処理の支援対象としている機密書類には、次のようなものがあります。
・契約書
・顧客名簿
・図面
・帳票
・社内資料
いずれも、外部に出ては困る情報が紙のまま残っているものです。書類の種類が混在していても構いません。
お渡しいただくときは、基本的に段ボール箱に入れたままで構いません。中身を箱から出したり、あらかじめシュレッダーにかけたりしていただく必要はありません。
封筒の束や、紐で結束された状態のままでも大丈夫です。
ただし、ファイルやバインダーなどが多く混じっている場合は扱いが変わることがあり、実際に搬入できる荷姿は量や搬入先によって異なるため、確認のうえご案内します。

なお、HDDやSSD、USBメモリーなどの電子記録媒体は、紙とは処理方法が異なります。そちらは情報機器の処分に関する別の記事で整理しています。
6. 引き取りは専門の収集運搬業者が行います
書類の引き取り(収集運搬)は、専門の収集運搬業者が行います。当社が引き取りに伺うわけではありません。
当社の役割は、書類の内容や量を確認したうえで処理方法を整理し、適切な処理につなぐための提案・手配・連携です。
搬出したあとの扱いも、担当者の方が気にされる点だと思います。当社から出している書類の場合、搬出後は原則として、施設に運び込まれたあとそのまま処理の工程に入ります。

撮影は2011年8月で、過去の実例にあたりますが、提携関係と処理の流れは現在も続いています。書類を扱う施設の様子は、委託する側からは普段見えない部分です。
写真は、カゴが搬入された場面で、ここから書類は破砕・圧縮・溶解の工程に入っていきます。
なお、搬出から処理が終わるまでの間、書類を誰がどのように扱うのかは、案件ごとに取り決めておくべき部分です。次章の確認事項とあわせて、依頼前に整理しておくことをおすすめします。
7. 委託する前に確認しておきたいこと
処理を委託する際は、次の点を事前に整理しておくと、社内での説明や記録の管理がしやすくなります。
・対象物の数量と、識別できる情報を記録しておく
・搬出、運搬、処理までの責任の範囲を明確にしておく
・どの処理方法で処理されるのかを確認する
・処理完了を証明する書類や記録を確認する
証明書の発行可否や様式は案件によって異なります。社内規程やISO27001の運用で記録の提出が求められる場合は、依頼前の段階でその旨をお伝えいただくと、確認が進めやすくなります。
8. 相談前に準備していただきたい情報
ご相談の際は、次の3点が分かる範囲で伝わっていると、話が早く進みます。
・書類の種類(契約書、顧客名簿、帳票、社内資料など)
・おおよその量(段ボール何箱程度、カゴ何台分程度など)
・現在の保管状況(保管場所、搬出の可否、希望時期など)
ひとつお願いがあります。書類そのものを撮影した写真は送らないでください。
金属資源やハードディスクのご相談では対象物の写真が判断材料になりますが、機密書類の場合、書類の中身が写った画像をやり取りすること自体が新たな情報漏えいのきっかけになりかねません。
この記事に掲載している写真も、書類の中身が読み取れない状態であることを確認したうえで使用しています。
種類と量、保管状況を言葉でお伝えいただければ、そこから確認を進められます。量が正確に把握できていない状態でも構いません。
9. まとめ
・当社から出る機密書類は、提携先の処理施設で破砕、圧縮、溶解という工程を経て処理されている。
この工程を通ると、文書としての形は残らない
・同じ紙でも、通常の古紙リサイクルと機密書類とでは処理の方法が変わる。
実際にどの流れになるかは、書類の内容や量を確認したうえでご案内する
・書類の引き取り(収集運搬)は専門の業者が行う。
当社の役割は、処理方法の整理と、適切な処理につなぐための提案・手配・連携
・書類は基本的に段ボール箱に入れたままで構わない。
搬出後は原則として、そのまま処理の工程に入る
・委託前に、数量の記録、責任範囲、処理方法、処理完了を証明する記録の4点を確認しておくと社内で説明しやすい
契約書や顧客名簿などの紙の機密書類の処分でお困りの際は、処分の方法を決める前に一度ご相談ください。内容を確認したうえで、進め方をご案内します。